バスに乗った

妻を送るためにバスに乗った。
高校時代の同級生と出会う。
少し斜に構えて世間を見ていた彼女はあのころとは違い可愛いお母さんになっていた。
子供を抱え市役所に降りていく彼女に声すらかけられなかった。
ただ心であの頃と同じ様に「姐さん、お元気で−」と祈るだけだった。